冠動脈疾患の抑制効果があるスタチン系薬剤

血液中の脂肪を脂質といいますが、この脂質が異常な数値を示すのが脂質異常症です。糖尿病と並んで代用的な生活習慣病の一つです。空腹時に採血を行い、血液中のLDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪の3つの値からこの病気に該当するかどうかを調べます。

循環器内科での診察

従来は高脂血症と呼ばれていましたが、善玉コレステロールであるHDLコレステロールは数値が低いほうが心疾患などのリスクが高くなるため、脂質が高い病気という意味で高脂血症という名前は相応しくないという理由で現在の名称に変わりました。

治療は食事と運動療法が基本で、薬物療法では、主に脂質降下剤が使用されます。降下剤は服用を続けないと改善した数値が戻ることがありますので、依存症になると心配する人がいますが、依存性は高い薬ではありませんので、医師の指示を守って服用すれば問題ありません。

メタボリックシンドロームは、高LDLコレステロール血症とは独立した冠動脈疾患のハイリスク病態としてガイドラインに位置づけられています。メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪型肥満に、脂質異常、高血圧、高血糖のうち二つ以上の危険因子を持つ場合であり、高LDLコレステロール血症も併発する場合には、冠動脈疾患のリスクが寄り高くなることが指摘されています。

高LDLコレステロール血症の治療で最も多く使われているのがスタチン系薬剤です。日本で5年にわたって行われたプラバスタチンを用いた大規模な治験(冠動脈疾患の既往のない経度~中等度の高脂血症患者を対象)では、冠動脈疾患、なかでも心筋梗塞の抑制効果が報告されています。

また、ロスバスタチンを用いた、安定期の冠動脈疾患を持つ日本人の高脂血症患者を対象とした臨床試験では、動脈硬化の退縮を確認したとされています。